生殖細胞が実際に活躍するのは思春期ですが、では、その生殖細胞が作られているのはいつなのかと言われると、実はそのはるか昔にさかのぼります。
なんと、母親のお腹の中にいる胎児の段階で既につくられているのです。それも、ヒトの場合では受精直後の3~4週目という極めて初期の段階なのです。その時期には精巣も卵巣もまだできていません。
つまり、「母親の胎内で胎児の体ができるより早く、その次の世代=孫の準備がされている」という事が言えるのです。これには、全能性の確保という理由があるのでしょう。
生殖細胞は全能性を持たなくてはなりません。受精卵から分裂をはじめ、子どもの体をつくる分化がかなり進んだ後に、全能性も持った生殖細胞を改めて作るというのは、言うなれば時計の針を逆戻りさせているようなものです。その為、早い段階で生殖細胞をつくり、隔離しておく事になったのでしょう。